灼熱の国、ここはどこなんだろう?
現在の私は自分に聞いてみる。
「アフリカ、古代エチオピア」何かが頭の中でささやく。
自分がアフリカ大陸に生きていたことなんて
今の私からは全く想像できない。
ここでは、生きること=水を手に入れること
がすべてだ。
私は若いときにあった
部族間の抗争で、椰子の実のようなものを
首のあたりにぶつけられて
それからずっと具合が悪い。
いつもむっつりとしていて、水を汲むことしかしていなくて
いつも首が痛くて…
3人の子どもの内、一番上の娘は
絶えず私を愛していてくれた。
なのに、私は末の息子しかかわいがらずにいた
何年もそうしていた。
矢澤さんの声が聞こえる。
「その人生の最後の場面に行ってください」
私は固い石のような寝台に横になっている
薄い布が身体にかけられていて
周りには子どもたちと、夫がいる。
私は常日頃から、夫のことを愛しているのか愛していないのか
まったく判らない。感情らしいものがないの。
だけど、末の息子のことは愛していると思っていた。
だけど、私の命が燃え尽きようとしているとき
一番悲しんでいたのは、私がちっとも愛そうとしなかった
上の娘だった
彼女の瞳から涙が溢れているのを見たとき
突然、ものすごい後悔をした
「なぜ私はこの娘に愛を表現してこなかったのだろう」
私の瞳からも涙が溢れた、私の手を娘たちが握り締める。
遠巻きにみつめる夫と息子。
意識が遠くなる、どんどんどんどん遠くなる。
辛かった身体から、抜け出して、とても軽くなったことに気がついた。
そこは真っ白で、何もないところ
とても眩しい
何かの声が聞こえる
あれは矢澤さんの声なのか
それとも他の何かの声なのか?
「あなたがその人生から学んだことは何ですか?」
「次に生まれ変わるとしたら、どうしますか?」
その瞬間、灼熱の国、湖に住んでいたときのことと
現在の私の状況とがすべて重なって
ひとつになった。
「ああ、そうだったんだ」
自分の人生は自分が決めたことだったんだ。
すべては繋がっているんだ。
この人生も、これで終わりではなくて
ずっと繋がっていく、長い長い旅なんだ。
それが判ったとき、私は自分の人生に責任を持たなくてはならないこと。
そして、同じ過ちは繰り返してはいけないと
心の底から決めたのでした。